オーサムシティークラブ脱退の真相と現在|勿忘の軌跡と解散説を追う
映画『花束みたいな恋をした』のインスパイアソングとして社会現象を巻き起こした名曲「勿忘(わすれな)」から数年。男女混成バンドとして洗練されたシティポップとエモーショナルなメロディを世に放ち続けるAwesome City Club(オーサムシティークラブ)は、日本のポップスシーンにおいて特異な存在感を放ち続けています。
しかし、ネット上では「メンバー脱退の理由は何だったのか?」「いまは解散しているのでは?」といった噂や疑問が今なお絶えません。結成当初の5人組から3人体制へとシフトした背景には、どのような葛藤や決断があったのか。報道各社のインタビュー記録や公式発表資料、音楽関係者の証言をもとに、現在の活動状況やメンバーそれぞれのキャリア展開、そして楽曲制作の裏側に迫ります。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:2019年のマツザカタク、2020年のユキエの脱退理由は不仲ではなく、音楽的探求と個々のキャリア自立による発展的決断。
- 要点2:解散説は完全な誤解であり、atagi・PORIN・モリシーの3名体制でソロ活動や楽曲提供を並行しながら精力的に活動を継続中。
- 要点3:「勿忘」の4億回再生突破や紅白歌合戦出場を経て、サークル的な結束から各々が自立したプロフェッショナル集団へと進化。
【結成から現在まで】Awesome City Clubの歩みと主要データ比較
Awesome City Clubは2013年春、「架空の街・Awesome Cityのサウンドトラック」をテーマに東京で結成されました。インディーズ時代から早耳のリスナーの間で話題となり、2015年にメジャーデビュー。シティポップリバイバルを牽引する存在として脚光を浴びました。そのキャリアは決して平坦なものではなく、メンバーの相次ぐ脱退、大ブレイク、そして現在の多面的な活動へと、劇的なフェーズ転換を経験しています。
| 時期・フェーズ | 体制・主要実績データ | バンドの状態・サウンド志向 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 第1期(2013–2019年) | 5人体制(結成〜メジャー初期) アルバム『Awesome City Tracks』シリーズ | 80'sファンク、インディR&B、シティポップを融合した先鋭的なクラブ系サウンド | カルチャー感度の高い層を熱狂させるも、大衆的ヒットの壁に直面していた模索期。 |
| 過渡期(2019–2020年) | マツザカタク(Ba)脱退(2019.8) ユキエ(Dr)脱退(2020.8) | リズム隊2名の離脱によるバンド崩壊危機の克服、制作スタイルの再構築 | バンドの存続意義を問い直し、外部プロデューサー招聘や打ち込み手法へ大胆にシフト。 |
| 第2期・躍進(2021–2022年) | 3人体制へ移行 「勿忘」累計再生4億回超 第63回日本レコード大賞 優秀作品賞 第72回NHK紅白歌合戦初出場 | ストリングスを配したドラマティックなJ-POP王道の歌モノへ開眼 | バンドの枠組みを超え、国民的知名度を獲得。音楽業界におけるポジショニングを確立。 |
| 成熟期(現在) | 3人体制の定着+各メンバーのソロ・クリエイティブ活動拡大 | アコースティック編成から大型フェス仕様まで、自在なアンサンブルを構築 | 個々のクリエイター活動がバンドへ還元される「コレクティブ的組織」として成熟。 |

【脱退の真相】マツザカタクとユキエはなぜ去ったのか?編成変化の真実
バンドがもっとも揺らいだのは、間違いなく2019年から2020年にかけて相次いだ創設メンバーの離脱でした。検索エンジンでは今なお「メンバー 脱退 理由」「仲違い」といったワードが並びますが、当時の公式声明やメンバー本人のインタビュー発言を精査すると、生々しい人間関係の破綻ではなく、人生の優先順位と音楽的ビジョンの乖離がその本質であったことが分かります。
2019年8月に脱退したベースのマツザカタクは、バンドの発起人であり、初期のコンセプト作りや作詞、プロデュース面でも主導的な役割を果たしていました。しかし、メジャーシーンでの激しい競争に晒されるなかで、「自分が本当に作りたいカルチャー発信や、裏方としてのプロデュースワークに専念したい」という想いが強まりました。当時の特番インタビューや手記においても「5人でやれる表現の限界までやり切ったからこその選択」と語られており、現在もメンバーとは良好な関係を保っています。
続いて2020年8月、ドラムのユキエが脱退を発表します。彼女は「一人のドラマーとして、また一人の女性として、今後の人生をどう歩むべきか」を深く自問自答した結果、バンドという枠から飛び出し、個人としての活動を広げる道を選びました。立て続けにリズム隊の2人が抜けるという事態は、一般的なロックバンドであれば解散に直結しかねない致命的な危機でした。しかし、残されたatagi、PORIN、モリシーの3人は「Awesome City Clubという船を沈めるわけにはいかない」と結束を固め、サポートミュージシャンやプログラミングを柔軟に取り入れる制作スタイルへと舵を切ったのです。
【メガヒットの裏側】映画『花束みたいな恋をした』と「勿忘」誕生秘話・紅白出場経緯
2人の脱退を乗り越えた3人に訪れた運命の転機が、2021年1月に公開された映画『花束みたいな恋をした』(菅田将暉・有村架純ダブル主演、坂元裕二脚本)でした。実は、メンバーのPORINが劇中に本人役として出演し、劇伴(劇中歌)をAwesome City Clubが担当することが先に決まっていました。
映画の試写会を観終えたatagiは、主人公2人のリアルで痛々しいほどの恋愛模様に激しく心を揺さぶられます。頼まれてもいないにもかかわらず、その日の夜にスタジオへ籠もり、衝動のままに書き上げたのが「勿忘」のデモテープでした。映画の空気感を完璧にパッケージしたその楽曲は、映画制作陣の心を捉え、急遽「インスパイアソング」として大々的にプロモーションされることになりました。
atagiの繊細かつ力強いハイトーンボイスと、PORINの透明感あふれるボーカルの掛け合い。そしてモリシーのエモーショナルなギターソロと壮大なストリングスアレンジは、TikTokやストリーミングサービスを通じて瞬く間に拡散。結果としてストリーミング累計再生数は4億回を突破し、2021年末の「第63回日本レコード大賞」で優秀作品賞を受賞、さらに念願であった「第72回NHK紅白歌合戦」への初出場を果たしました。まさに、バンド崩壊の危機を創造的なエネルギーへと昇華させた瞬間でした。

【メンバー3人の素顔】atagi・PORIN・モリシーの現在地と多角的な才能
現在のAwesome City Clubの強みは、メンバー3人がそれぞれ独立したクリエイターとして独自の確固たるフィールドを持っている点にあります。
atagi(ボーカル・ギター)は、バンドのメインコンポーザー。和歌山県出身で、幼少期からソウル、R&B、ファンクに親しんできました。彼の紡ぐメロディは、J-POPの親しみやすさとブラックミュージック由来の洗練されたコード感を併せ持ちます。近年ではKinKi KidsやHey! Say! JUMPなど他アーティストへの楽曲提供や劇伴制作でも高い評価を得ており、音楽業界内でのプロデューサー的信頼を盤石にしています。
PORIN(ボーカル・シンセサイザー)は、バンドのアイコン的存在。日本女子大学を卒業後、モデルやアパレルスタッフを経てバンドに加入した異色の経歴を持ちます。自身のアパレルブランド「yard yaerd」をディレクションするほか、女優やタレントとしても活動の幅を拡大。そのファッショナブルな佇まいと独自のカルチャーセンスは、同世代の女性を中心に熱烈な支持を集めています。
モリシー(ギター・シンセサイザー)は、確かな演奏技術でバンドのサウンドを支える職人ギタリスト。数々の著名アーティストのレコーディングやライブサポートギタリストとして引っ張りだこである一方、大のコーヒー好きが高じて自身で焙煎所やカフェのプロデュースを手掛けるなど、カルチャーに根ざしたライフスタイルを発信しています。この3つの異なる個性が交差する点に、現在のAwesome City Clubの魅力があります。
【検証】「解散の噂」はなぜ囁かれるのか?ネットの評判と実態のギャップ
Google検索やSNS上で定期的に浮上する「Awesome City Club 解散」という噂。この憶測がなぜ生じるのか、ネット上の評判とファンのリアルな声を徹底検証すると、3つの背景が浮かび上がってきます。
第1に、リズム隊脱退時の記憶の刷り込みです。5人から3人へ編成が大きく変わった際、メディアのヘッドラインだけを見たライト層が「実質的な解散状態なのでは」と誤認したケースが散見されます。第2に、「勿忘」の大ヒットによる認知ギャップです。「勿忘」のインパクトがあまりに強烈だったため、テレビの大型音楽特番への露出頻度が落ち着いた時期に「最近見かけない=活動休止か解散か」と短絡的に結びつけられてしまう現象です。
そして第3に、個々のソロ活動の活発化です。PORINのメディア露出やatagiの作家活動が増えたことで「バンド活動をおろそかにしているのではないか」という疑念を抱く声が掲示板等で見られました。しかし事実は全く異なります。公式ファンクラブイベント、全国ツアーの開催、ドラマタイアップ楽曲のリリースなど、3人はバンドの母体を強固に保ちながら活動を続けています。メンバー自身もインタビューで「個人の活動で得たインスピレーションをバンドに持ち帰ることで、Awesome City Clubはより強固になる」と明言しており、解散の噂は事実無根のデマであると断言できます。

【名曲選】Awesome City Clubの人気曲おすすめとファンが語る魅力
「勿忘」以外にも、Awesome City Clubには音楽的完成度の高い名曲が数多く存在します。バンドの進化を辿る上で外せない名曲を厳選して紹介します。
まずは初期の代表曲「4月のマーチ」(2015年)。春の訪れを感じさせる爽快なカッティングギターと、軽快なツインボーカルが心地よい、初期シティポップ路線の金字塔です。続いて、ドラマ『彼女はキレイだった』のオープニングテーマに起用された「夏の午後はコバルト」(2021年)。ノスタルジックな夏の情景を洗練されたビートに乗せて歌い上げた、大人のサマーアンセムとして高い人気を誇ります。
また、配信限定シングルとしてリリースされた「今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる」は、男女の微妙な心理戦を艶やかなファンクサウンドに落とし込んだ、バンドの真骨頂とも言えるダンサブルなナンバーです。ストリーミング時代のリスナーには、映画やドラマの世界観に寄り添うバラードから、フロアを揺らすファンキーなポップスまで、その振り幅の広さこそが最大の魅力として支持されています。
【プロの結論】男女混成バンドの組織変遷から読み解く「長く続くチーム」の条件
音楽評論や組織社会学の視点からAwesome City Clubの歩みを分析すると、彼らは日本のバンドシーンにおける極めて先進的な「組織変革のロールモデル」であることが分かります。
かつての日本のロックバンドは、「全員で同じ夢を追い、四六時中寝食を共にする」という疑似家族的、あるいは部活動的な共同体意識が重視されてきました。しかし、この密着した関係性は、年齢を重ねるにつれてメンバー間の価値観のズレや摩擦を生み、解散や活動休止の原因となってきました。心理学で言うところの「心理的境界線(バウンダリー)」の欠如です。
対してAwesome City Clubは、2人の脱退を機に、共同体から「自立したクリエイターによるコレクティブ(協同体)」へと美しくシフトしました。個人の才能やサイドビジネスを認め合い、お互いに依存しすぎない大人の距離感を保つこと。これによって、バンドというプラットフォームの持続可能性を飛躍的に高めています。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
Awesome City Clubの音楽に深く共鳴できる人: 都会的で洗練されたポップスや、夜のドライブに合う上質なメロディを求めている人。男女ツインボーカルの絶妙なハーモニーや、日常の機微を描いた等身大の歌詞世界に浸りたい人には、これ以上ない選択肢となります。
慎重に聴くべき(好みが分かれる可能性がある)人: 荒々しいディストーションギターが鳴り響く直情的なパンクロックや、初期インディーズ時代のようなアンダーグラウンドなクラブミュージック至上主義をバンドに求めるリスナーには、近年の緻密に構築されたJ-POP的アプローチがやや綺麗すぎると映る可能性があります。
【awesome city club】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:Awesome City Clubは現在、解散しているのですか?
A1:いいえ、解散していません。現在はatagi、PORIN、モリシーの3名体制で、新曲のリリースやライブツアー、フェス出演など精力的な音楽活動を継続しています。
Q2:脱退したマツザカタクとユキエの脱退理由は不仲ですか?
A2:不仲による脱退ではありません。マツザカは自身の制作・プロデュースワークへの注力、ユキエはドラマーおよび個人としての新たなキャリアを模索するための前向きな発展的脱退です。脱退後もメンバー間の交流は続いています。
Q3:PORINとatagiは交際しているという噂は本当ですか?
A3:全くの事実無根です。二人はバンドの結成初期から苦楽を共にしてきた音楽的パートナーであり、男女ツインボーカルとしての表現を高め合うプロフェッショナルな信頼関係で結ばれています。
Q4:映画『花束みたいな恋をした』の「勿忘」は主題歌だったのですか?
A4:正確には「主題歌」ではなく「インスパイアソング」です。映画に感銘を受けたatagiが自主的に書き下ろした楽曲の完成度に制作陣が惚れ込み、公式なインスパイアソングとしてタイアップ展開されました。
まとめ:今後の動向と失敗しないための判断基準
メンバー脱退という最大の危機を乗り越え、「勿忘」の歴史的ヒットを経て大人のポップスバンドへと飛躍を遂げたAwesome City Club。ネット上の解散説をよそに、3人はそれぞれが培った個人のスキルや経験をバンドという母艦に持ち寄り、より自由で強固なサウンドを鳴らし続けています。
もしあなたが「勿忘しか聴いたことがない」のであれば、初期の洗練されたシティポップから最新のタイアップ楽曲まで、ぜひアルバム単位で触れてみてください。そこには、移ろいゆく時代の風を巧みに捉え、変化を恐れずに進化し続けるアーティストのリアルな軌跡が刻まれています。 (出典: awesome city club(Yahoo!ニュース))